フランスで出産⑪ 妊娠8か月定期検診・出産準備講座の受講レポート

こんにちは。

2025年1月にフランスで出産予定の妊婦です。今回は11月下旬に受けた妊娠8か月(日本では9か月)定期検診と出産準備講座の受講の様子について紹介します。

前回の記事は下記リンクからご覧ください。それ以外の出産関連記事はカテゴリーの「出産」からご覧ください。出産関連記事は日本語のみの更新です。

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私たちの状況

私・日本人35歳初産 夫・フランス人35歳 会社員
妊婦の職業 自営業
初回検診から出産までフランスSavoi地方の公立病院

状況によって検査内容や費用など違うと思うので、あくまで私たちの状況での実体験を共有します。

フランス妊娠8か月目にやったこと

フランスでの妊娠8か月(日本では妊娠9か月の時期)の状況を共有します。

11月下旬 妊娠8か月定期検診

SA33週(最終生理開始日を妊娠1日目として数えて33週)のときに、8か月目の定期健診に行ってきました。

11月 週1回全4回 出産準備講座

日本の両親学級・母親学級のような出産に向けたPréparation à la naissanceという講座がフランスでも開かれます。過去記事にも書いたのですが、私の通院している公立病院内では講座は開かれず、病院から紹介された個人の助産師へ事前申し込みを行いました。私はSA19週の頃に病院から紹介されました。申し込みの流れについては過去に記事にしているので気になる方は下記リンクからご覧ください。

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講座は全7回が一般的のようですが、私が申し込みをした助産師さんは来院の回数を減らすために1回の時間を長くして回数は全4回で実施してくれました。回数が少ない方が都合が付きやすいので助かりました。結果、11月の毎週木曜日に通いました。夫も私も出産は初体験のため、夫も仕事を調整して一緒に参加してくれました。私を合わせて3人の妊婦が参加しましたが、パートナーが一緒に参加しているのは最終回まで我が家だけでした。全員初めての出産にもかかわらず、妊婦単独の参加が多いのは個人的には意外でした。

各回の内容をを紹介します。

1週目

軽く自己紹介をした後は基本的には助産師の説明を聞くのみでしたが、必要に応じて質問にも答えてくれました。

まずは陣痛について下記のような説明がありました。

お腹が固く張りを感じたら陣痛の可能性があるが、本当の陣痛の場合は規則的に繰り返す。2時間以上続く、もしくは5分間隔になるまでは前駆陣痛の可能性があるので様子を見てOKとのこと。陣痛が定期的に来たり破水したりしたら病院に電話する。

通常は陣痛→入院→破水の順番ですが、破水が先にくる場合もあるそうです。破水をしていも胎動を感じ、出血など異常が無ければ焦ることはないそうです。病院に早く行っても陣痛が自然に来るのを待つか、促進剤を打つか入院して観察するしかできないそうなので、ゆっくり身支度してから病院に向かっても問題ないと言われました。破水の場合は入浴はNG(感染症を起こす危険性があるため)だけど、シャワーはOKです。破水したら私は焦りそうと思ったけど、結構落ち着いて用意できるんですね。

初産の陣痛から出産の所要時間の例としては、夜中3、4時に陣痛らしきものが始まって昼ぐらいにだんだん強くなり、夕方に入院して夜中に生まれた人の話をしてくれました。陣痛なか?と思い始めて24時間くらいかかるってことですね。もちろん個人差がある前提ですが、初産の場合はこれくらいが平均のようです。

次はカンガルーケアについて。カンガルーケアはフランスでは「Peau à peau=肌と肌」と呼ばれ、親と赤ちゃんが直接肌を合わせることを言います。昔はフランスでは抱き癖がつくと良くなとされていましたが、近年は特に新生児や子供が小さい間は両親と肌で触れ合うのは精神的にも免疫を付ける面でも大事とされカンガルーケアの時間は多ければ多いほど良いとされているそうです。なので、生まれた直後からできるだけやった方が良いと言われました。母親だけでなく父親も同様です。日本でも同じようなことを言いますね。

最後に病院に持っていく鞄(陣痛バック・出産バック)の中身について説明されました。今回がお互いに初めての子供の私たちは出産のための入院も初体験。なので、この説明を聞いてから後日ベビー用品を買い出しに行きました。購入品やバックの中身は改めて別で記事にまとめて紹介したいと思います。

2週目

この日はまず、陣痛が来た際の具体的な過ごし方を説明されました。

体勢や呼吸の仕方、パートナーはどのように支えたらいいかなどイラストの資料を基に説明してもらいました。自宅や分娩開始までの体勢は色々方法があるものの、不正解と言うのは無く自分が一番楽または心地よい体勢が正解だと言われました。また、バランスボールを使って体勢をとるのも人によっては効果的だとのこと。とわいえ場所を取るし、用意してある産院・病院が多いと言われたので特に私は購入はしていません。

また、1回の陣痛の波は痛みを感じる時間は長くなく、海の波のように痛みが来たら必ずその痛みが引くタイミングがあるのでその波を理解して合わせていくことが出産をスムーズにするコツだと教えられました。陣痛の波のタイミングで胎児も降りてくるので、我が子とチームと思って進めていくと良いそうです。その時に自分が冷静にいられるか分かりませんが。笑

また、適度な糖分や体を温めることは痛みの緩和・お産を進めるのに有効だそうで、飴を舐めたり、入浴もしくはシャワーを浴びたりすることもお勧めされました。病院への移動中も湯たんぽなどで体を温めると良いそうです。

最後に無痛分娩の流れの説明もされました。フランスでは約80%の妊婦が無痛分娩で出産しており、その他は帝王切開や自然分娩などです。今回の出席者も私を含め全員が無痛分娩希望でした。

まず、無痛分娩の場合は麻酔医が背中から管を通し、そこから麻酔薬を注入します。ただし、分娩の進み具合によっては、麻酔を入れる間もなくすぐに分娩になったり、他の妊婦・他の病棟の対応ですぐに自分の対応をしてもらえない場合もあるので、無痛分娩を希望していても結果的に自然分娩になる場合もあるとのことでした。たしかにそれは仕方がない。なので自然分娩の可能性も覚悟しておこうと思いました。

3週目

この日は出産の種類について説明を受けました。

下(膣)から産む方法として自然分娩、無痛分娩があるが、その中でも鉗子・吸引を使用した分娩について勉強しました。たとえ下から産み始めたとしても、途中で胎児が引っかかったりして出てきにくい状況になることがあります。その際には医師や助産師が大きなトングのような道具(鉗子)で胎児の頭を挟んだり、専用の吸盤を胎児の頭に付けたりして妊婦のいきみに合わせて胎児が出てくるのをアシストし出産をします。どんな道具かも実物を見せて説明してくれました。そうして生まれた場合、出産直後の胎児の頭は長細いですが自然に戻ることが多いので心配ないそうです。また、順調に胎児の頭が出ても途中で引っかかったりして出てきにくい様子だった場合は医師・助産師が必要と判断した場合には会陰切開も行います。もちろん、子供の状態によっては下から産む場合だけでなく帝王切開の可能性があることも説明されさました。この場合は麻酔するから安心してねと言われましたが、帝王切開で麻酔なしは切腹だよ、と心の中で突っ込んでしましました。笑

最後に、いきみの際の呼吸の仕方も教えてもらいました。陣痛の波のタイミングに合わせてスタッフがいきみの指示を出すので、この際も妊婦、胎児、スタッフがチームになってタイミングを合わせることが大事と言われました。もちろん立ち合いの場合はそれを支えるパートナーもチームの一員です。

4週目

最終日は主に今までのおさらいと、出産後の流れについての説明でした。

出産までは前回までの内容とほぼ同じでした。出産後はカンガルーケアを積極的に行うこと、少しでもいいので初乳をのませることが胎児の免疫の為と妊婦のホルモンの為にも良いそうです。母乳育児をする場合の資料ももらいました。

また、フランスでは妊娠期間を3期間(初期・中期・後期)に分けて管理されますが、産後1カ月は妊娠の第4期間と呼ばれるほどまだ通常の体ではないという説明をされ、精神的・身体的にどのように変化するか・どのように過ごしたらいいかを資料を基に勉強しました。赤ちゃんがなぜ泣くかなども説明され、少し産後のイメージが具体的にできるようになってきたと思います。

そして、日本でも同じだと思いますが、産後1週間ほどの時期に母子の状態を確認するために助産師が家庭を訪問するそうで、生まれたら早めに出生日をSMSで今回の助産師に知らせるように言われました。

費用

冒頭でも書いたように、出産準備講座は全回数が保険適用になるので無料でした。口座を担当する助産師に保険証(Carte Vital)を提示する必要があるので忘れず持参しましょう。また、産後1週間の家庭訪問も保険適用で無料だそうです。

まとめ

私は日本での出産経験はありませんが、基本的な内容は日本で持っていた出産のイメージと同じかなという印象でした。

申し込んだ助産師さんがすごくいい人(説明が分かりやすい、私の為にもゆっくり話してくれる、人柄がよい・穏やか)だったのが不明点を聞きやすくとても助かりました。また、参加者も基本的にはいつも同じメンバーだったので気持ち的にさらに楽でした。

正直1時間半を計4回は長かったというのが正直な感想ですが、出産準備品のこと、陣痛から出産までのこと、産後のこと、フランス語のサイトでフランスのことをリサーチしていたものの未知のことばかりだったので、終わってみるとこの講座は夫にとっても私にとっても本当に有効だったと思います。

日本より分業制が基本のフランス。産後の家庭訪問の助産師も誰にコンダクトを取ればいいのか気になっていたので、出産準備講座と同じ助産師が担当してくれることが分かって安心しました。

本当にお産は十人十色。自分がどうなるか分かりませんが、検診や講座受講で徐々に知識を付けていくことで、今は不安よりもワクワクが大きくなっています。

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