こんにちは。
2025年1月にフランスで出産しました。今回はフランスでの妊娠~出産には実際、いくらくらいかかるのか実体験を共有します。
出産関連記事はカテゴリーの「出産」からご覧ください。
私たちの状況
- 私・日本人35歳初産 夫・フランス人36歳 会社員
- 妊婦の職業 自営業
- 2025年1月にフランスSavoi地方の公立病院で第一子・長男を出産
- Mituelle(任意保険)加入済み
フランスでの妊娠~出産までの費用レポート
妊婦検診費用 0€、その他 約50€以下
私の妊婦検診の自己負担費用は全期間通して0€でした。
フランスでは妊娠初期に医師または助産師によって正式に妊娠の確認がされたら、社会保険機関AssuranceMaladieに妊娠の申告をします。そうすると保険証(Carte Vital)に妊婦であることが登録され、妊娠期間中の基本的な費用は100%国の健康保険でカバーされます。「基本的」というのは、自己負担の追加検査などは含まれないからです。カバーされる範囲の具体例は、定期健診、全3回のエコー検査、毎月の血液検査、尿検査、任意のダウン症検査、助産師との面談や両親学級への参加費用などです。
また、任意保険の情報が保険証に登録されていたら、国の健康保険でカバーされない自己負担分も自動で任意保険の保険会社に請求がされるようになっています。任意保険でもカバーしきれない本当の自己負担分のみが患者に請求されます。
私は自分の保険証にかかりつけ医の登録ができていなかったので、初回の検診費用は一旦自己負担(後日、自宅に病院から請求書が届いてオンラインで支払い)となりました。このかかりつけ医登録有無によって一旦支払いが生じるシステムが未だに理解しきれていないのですが、いずれにしても後から自分で払い戻し請求を行い、返金されたので実質自己負担はありませんでした。
その他、妊娠期間中にかかった費用は50€以下でした。
例えば私は妊娠期間中に便秘や胃痛などマイナートラブルに悩まされた時期がありました。それを検診時に相談して助産師に処方箋を出してもらいました。薬によっては保険適用ではないものもあったので、自己負担での購入となりました。薬によって15€とか20€とか様々でしたが、合計して大体50€前後でした。こちらはゼロの人もいれば、もっと掛かる人もいるでしょうから参考までの金額です。
出産・入院費用 60€
全額健康保険でカバーされます。フランスは公立病院であれば自治体で差はありません。日本だと東京だと高額だけど地方なら補助金の範囲に収まるなど自治体により差があり、出産費用の心配をしないといけませんがそれが無いのが本当にありがたかったです。私は鉗子分娩・無痛分娩で出産したのですが、その費用も保険適用になり自己負担はありませんでした。
健康保険ではカバーされず、自己負担したのは入院時の個室費用・付添人の宿泊費用のみでした。
私の入院した病院の個室料金は45€/日。出産前含めて全6日間の入院でしたので、合計270€。
そこから加入している任意保険で35€/日がカバーされるので自己負担は10€/日、合計自己負担は60€でした。
60€で入院中のストレスや不安を少しでも解消できるのであれば安いと私は思います。個人的には個室にして本当に良かったです。
付添人(夫)の宿泊費用は18€/日でした。これはベッドと朝食の費用です。こちらは任意保険で20€/日までカバーされるので自己負担はありませんでした。ちなみに付添人の夕食は10€/日で付帯できましたが、夫は頼まず、持参した食べ物を食べたり一時帰宅して家で食べたりしていました。
産後、退院までの検査費用 0€
出産日を含めて産後は5日間の入院でしたが、退院までの間に母子共に検査がされます。私は特別異常が無かったので子宮の状態や会陰切開の傷の経過を診る内診くらいでしたが、息子は聴力検査や血液検査、退院前の最終チェックなどたくさん検査をしてもらいました。それらの費用も全て保険適用で自己負担はありませんでした。
また、産後1カ月くらいの時にトキソプラズマの血液検査費用、ピルの費用(事前の問診で処方を希望していたので)も退院時に助産師が処方箋を発行してくれて無料でした。ちなみにピルは病院では3カ月分が処方され、その後に産後の訪問に来てくれた助産師にも追加で1年分の処方箋を出してもらいました。こちらのピル代も無料です。
退院後の検診費用 0€ + 処方クリーム代 10~30€
新生児の検診費用
1カ月検診までに行われる新生児の検査は、生後8日以内と生後2週間の2回の検診があります。
生後8日以内の検診については日本のように助産師の自宅訪問があり、母子両方の検診をしてくれます。我が家の場合、産んだ病院では対応していなかったので、両親学級でお世話になった産院の助産師に事前に依頼していました。出産した日にSMSで出産日を知らせるように言われていたので、出産当日にその通りにすると、退院後の自宅訪問の日時を決めて返事をくれました。検診内容は体重・身長を測ったり、全身のチェックをしてくれたり、排泄の状況などの問診があったりしました。
生後2週間検診は、自宅から車で10分ほどのかかりつけ医のところに行きました。検診内容は生後8日以内検診とだいたい同じでした。息子の定期健診の病院は、産んだ病院の小児科医にすることもできましたが夫と私のかかりつけ医の方が自宅から近いので、息子もそこで診てもらうことにしました。なので、その後の定期健診も同じかかりつけ医のところに行っています。そこは小児科医がいないのですが、今のところ問題は感じていません。
母親の産後の検診費用
前述の通り、息子の生後8日以内の検診で自宅訪問してくれた助産師によって私(母親)の経過確認の検診もしてくれました。
子宮の戻り具合や会陰切開の傷の状態、胸の張り具合など問診と触診をしてくれました。会陰切開の傷が痛いと言ったら麻酔クリームと傷の治りを早くするクリームの2種類を処方してくれました。その日のうちに夫が薬局まで受取りに行ってくれて、すぐに使いはじめましたがとても良く効きました。もちろん痛いのは痛いですが、麻酔クリームのおかげで痛さがだいぶ軽減された感じがしました。
ちなみに、出産した病院で別の日にこの話をしたら、あまりメジャーなクリームではないようで「そんなクリームがあるのね、品名を教えて!」と言われ、撮っていた写真を見せました。私はたまたま自宅訪問してくれた助産師がこのクリームを知っていたから処方してもらえたようです。会陰切開をした全産婦さんに届けばいいなと思いました。笑
ということで、私の保険証(Carte Vital)の提示をしただけで、母子の検診費用は全て無料でした。処方されたクリーム代は自己負担でしたが、その頃の記憶があいまいで(笑)、10~30€位だったと思います。
まとめ
妊娠~出産まで、自己負担は大体150€以下でした。冒頭にも記載している通り、私の経験はあくまで公立病院での出産費用の一例なので私立病院や個人の産院、個人の状況によって違うでしょう。
私が感じた費用の面でのフランスの利点は公立病院であれば全国料金が一律(オプションは除く)であることです。日本だと公立病院であっても自治体によって出産費用が違うし、助成金の範囲を超えて自己負担が発生することも多いでしょう。出産費用の心配がなく、しかも無痛分娩費込みで出産できるのはとてもありがたかったです。
日本も出産費用を保険適用にして出産費用を無償化しようと動き出しているというニュースを見ました。課題は多いようですが、費用の心配をせず出産ができ、医療機関側にも負担の少ない仕組みづくりを政府には頑張ってほしいです。私は日本での出産・子育て経験がないのでイメージでしかありませんが、日本も出産費用・保育料・学費など、ここ数年で制度の変更がされてきているように思います。日本政府に不満はたくさんあるし、課題もたくさんありますが、少しずつ改善を進めてくれている部分もあると私は思います。
また、フランスの出産費用について、個室料金や一部の処方薬など、健康保険ではカバーされず任意保険でカバーされた部分があるので、任意保険なしで考えると自己負担はもう少し高くなるでしょう。ちなみにフランスでは職場で割安の任意保険に家族分も含めて加入出来たりもするので、何かしらの任意保険に大多数の人が加入しています。我が家の場合は任意保険に1人約80€/月の保険料を支払っており、それはそれで結構な出費なので、見直しを検討中です。
今回は出産費用について私の実体験を紹介しました。フランスの公立病院での出産は費用のストレスが全く無かったです。また、過去記事でも紹介したように、別途、妊娠中期に出産一時金として約1000€が支給されるので入院準備やベビー用品の費用に充てることができ助かりました。(過去記事は下記にリンクを貼っておくので参考興味のある方はご覧ください)
フランスで出産された方の実体験や日本での出産の現状など、コメント・メッセージ等で教えていただけると嬉しいです。
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