フランスで出産③ 妊娠届の提出手続き、出産一時金申請について

こんにちは。

2025年1月にフランスで出産予定の妊婦です。今回はフランスでの妊娠届の提出手続き、出産一時金申請について紹介します。

直近に受けた初回妊婦検診の流れは下記の前回記事をご覧ください。日本語のみの更新です。

関連記事

こんにちは。 今回は遅くなりましたが、7月上旬に受けたフランスでの1回目の妊婦検診について紹介します。妊娠判明から検診の予約を取るまでの流れは下記の前回記事をご覧ください。日本語のみの更新です。 [sitecard subtit[…]

私たちの状況

  • 私、日本人35歳初産 夫・フランス人35歳
  • 妊婦の職業 自営業
  • 初回検診から出産までフランスSavoi地方の公立病院

状況によって検査内容や費用など違うと思うので、あくまで私たちの状況での実体験を共有します。

フランスで妊娠届を提出する

フランスの妊娠届の役割・必要性とは

日本での妊娠届と同じイメージです。日本では、妊娠の証明を医療機関で受取ったら、自治体に届出て母子手帳や妊婦検診の補助券をもらったりできます。フランスでは「Déclaration de grossesse(妊娠の宣言)」という届出を行うことで検診の保険適用や家族手当が受けられるようになります。逆に言えば、届出を行わないとサポートが受けられないので注意です。

私が感じた日本と1番異なる点は、母子手帳がもらえないということでしょうか。母子手帳は母子両方の状態が1冊の本にまとめられ、自分でもいつでも簡単に確認できるという素晴らしい日本のシステムだと実感しました。

フランスでも、もちろん胎児も妊婦もしっかり検査してもらえそれぞれのデータが病院で管理されているのですが、毎回の検診や血液検査、尿検査の結果は毎回ばらばらでもらうので、自宅で書類の管理するのが結構大変なんです。

母子手帳については結構思ったことがあったので、また改めて書きますね。

いつまでに・どこに届出が必要?

フランスでは妊娠3カ月(SG13週、SA15週)の終わりまでに、初回の妊婦検診を済ませ、管轄の健康保険基金(caisse d’assurance maladie)と家族手当基金 (caisse d’allocations familiales 通称CAF)の2つの機関に届出をしないといけません。

健康保険基金(caisse d’assurance maladie)

健康保険基金(caisse d’assurance maladie)は、その名の通り健康保険の様々な管理をしている期間で、フランスに住み始めて保険証を申請する時にコンタクトをとったことがある人も多いでしょう。こちらに妊娠を届出することで妊婦検診費用などの健康保険にかかわる補助が受けられます。

家族手当基金 (caisse d’allocations familiales 通称CAF)

家族手当基金(CAF)はわたしは今回初めて手続きをした機関ですが、出産一時金や児童手当など育児にかかわるもの以外にも、障害者手当や死亡にかかわる手当など、様々なサポートを行っている期間です。

必要書類は?

初回の妊婦検診で妊娠が確定したら、医師もしくは助産師が妊娠初回診断書(Premier examen médical prénatal)を作成して患者に渡します。リンクは診断書の見本です。

これは表紙・説明・3枚複写の診断書、計5枚つづりの1冊の書類として受け取ります。複写1・2枚目の青い2枚を家族手当基金(CAF)へ、3枚目のピンクを1枚は健康保険基金に提出です。患者が記入する箇所もありますが、病院で説明してくれますし、内容は住所や職業など基本的な項目なのでさほど複雑ではあります。

2つの機関共に必要書類はこれだけでした。

どういう方法で?

フランス政府のサイトでは下記の2通りの方法を案内しています。

  1. 医師または助産師がオンラインで妊娠を登録。その後、健康保険基金と家族手当基金に自動的に送信
  2. もしくは患者が手続き

しかし注意が必要なのは、どうやら①は最近できたシステムのようで、対応していない病院が多いようです。私たちの場合も、初回検診の際に①の話はみじんも出ることなく、②の前提で説明をされました。パリなど都会の病院はどうなのか分かりませんが、自分で届出をするつもりでいた方が良いでしょう。

では2つの機関、それぞれへの届出方法を紹介します。

健康保険基金(caisse d’assurance maladie)への届出

患者自身が郵送で妊娠を届出します。病院で受け取った妊娠初回診断書の最終ページ(ピンク)の1枚を管轄の健康保険基金へ郵送します。管轄はご自身のameli アカウント(健康保険のオンラインマイページ)の”Mes informations”というところで確認することができます。

私の場合は数日前にameli で住所変更をしたばかりで、アカウント上の住所がまだ旧住所のままだったので、「オンラインで住所変更手続き中のため、登録住所はまだ○○(←旧住所)です。実際の現住所は○○で、近日中に登録住所が変更される予定です。」というような手紙を同封します。

私たちは郵送して2・3週間で無事に登録完了の書面が届きました。ameli アカウントでも画像のように自分が現在妊娠何か月目で、この時期に何をする必要があるかが確認できりようになります。健康保険基金への申請は以上です。

家族手当基金 (caisse d’allocations familiales 通称CAF)への届出

患者自身が郵送もしくはオンラインで妊娠を届出します。

オンラインで手続きの場合

すでにCafのアカウントがある場合はオンラインで届出が可能です。資料があったのでリンクを貼っておきます。参考にしてください。指示通りに画面に入力し、必要書類のスキャンをアップロードするだけのようです。

私の場合はすぐにアカウント作成はできたものの、まだマイページに自分の情報登録が完了しておらず、結局妊娠届のオンライン申請に進めませんでした。なので郵送での届出を行いました。Cafのアカウント作成自体はこちらのページから妊娠確定前でもできるので、これから手続きを控えていて時間がある方は事前にアカウントを作ることをお勧めします。

郵送で届出の場合

病院で受け取った妊娠初回診断書の複写1・2ページ目(青)の2枚を管轄の家族手当基金(CAF)へ郵送します。管轄は「Rechercher une Caf」とネット検索して出てくる、Cafのページで調べることができます。

こちらも郵送から2週間程度で登録完了の書面が届きました。郵送と同時期に作成していたCafのマイページにもしっかり登録されていました。

フランスの出産手当金(Prime à la naissance)を申請

出産手当金とは

フランスの出産手当金(Prime à la naissance)はパジェ(PAJE ₌Prestation d’accueil du jeune enfant)という子供に関わる給付金制度の一部です。

出産手当金は子供の誕生にかかる費用をカバーする目的で支給されいます。私は当初、日本の出産一時金のと同じようなイメージを持っていましたが、日本ではそれを分娩費用に充てる(一時金の額より分娩費用の方がオーバーする場合もある)一方、そもそもフランスは基本の分娩費用は保険でカバーされるので、それとは別に子供用品や妊婦用品など出産に備える費用に充てることができるのがありがたいポイントです。

出産手当金の支給条件

  1. 妊娠3カ月(SG13週、SA15週)の終わりまでにCafに妊娠届出を行う必要あり。
  2. フランスに6カ月以上居住している必要あり。2025年1月に9カ月以上に変更される予定です。
  3. 世帯の収入上限の設定あり。上限を超えた場合は支給されない。上限についてはフランス政府のHPで確認できます。

③の世帯収入については不明点があります。

まず、考慮される年収は妊娠時点でのものではなく、N-2年(つまり2年前)の年の年収のようです。でもこの「N-2年」というのが妊娠時点からなのか出産予定日時点からなのかが私では調べきれませんでした。

これは結構私たちにとっては重大で。私は2024年に妊娠していますが、2025年1月に出産予定なので、「N-2年」の起点の解釈の仕方によって判断される年収が変わってくるのです。

私たちの場合、下記のどちらか…

  • 妊娠を起点とする場合…2024年に妊娠なので、「N-2年」は2022年。2022年の世帯年収で判断。
  • 出産予定を起点とする場合…2025年に出産予定なので、「N-2年」は2023年。2022年の世帯年収で判断。

私たち夫婦は2022年春にフランスに住み始めて、数か月後に勤め始めたので2022年の世帯年収は少ない一方、2023年は昇進もしたので世帯年収は高めでした。判断される年によって支給有無が変わってくるかもしれないのです。この結果は判明したらまた追記したいと思います。

いつ・いくら支給される?

支給時期は7か月目。

支給額は1,066.31 ユーロ、双子以上の場合にはフランス政府HPでははっきり金額は記載されておらず、診断書をCafが確認後計算されるとなっています。こちらは2024年時点での金額です。

実際に支給されたらまた共有しますね。

–2024年10月15日追記–
2024年9月24日にCafのマイページに「もうすぐ出産手当金(Prime à la naissance)1066,33€が振り込まれます」という内容の文章が届いていました。そして、その10日後の10月4日に入金がされました。特に差し引きされず1066,33€がそのまま振り込まれていました。SA25週目(フランスの妊娠6カ月目)に振り込まれたので想像より少し早めでした。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

申請方法は?

妊娠3カ月(SG13週、SA15週)の終わりまでにCafに妊娠を届出していれば、該当時期になったらCafのマイページで登録した銀行口座に自動で振り込まれます。

私たちはそれを知らず、申請は別途必要と思いCafのページから申請したのですが現時点で特に問題は無いです。

まとめ

さて、今回は妊娠が確定したら行う手続きを紹介しました。次回の妊娠についての記事は21トリソミー(ダウン症)検査について記事にします。

ではまた。

※SNSでコメント・DMお待ちしてます。 J’attends vos commentaires ou DM sur SNS.
Instagram…@le_journal_en_francais
X…@le_journal_en_francais

———-2024/09/10 21トリソミー(ダウン症)の出生前検査について記事をUPしました。下記リンクからご覧ください————

関連記事

こんにちは。 2025年1月にフランスで出産予定の妊婦です。今回は21トリソミー(ダウン症)の検査を受けた際の体験を紹介します。 前回の記事は下記リンクからご覧ください。それ以外の出産関連記事はカテゴリーの「出産」からご覧くださ[…]