こんにちは。
皆さんいかがお過ごしですが?
私の住んでいるフランスのアルプス地方は数週間、比較的気温の低い日が続き、数日前から夏の日和が戻ってきました。
暑い暑いと文句を言いながらも、このカラッとした暑さは「ザ・ヨーロッパの夏」という感じがして好きです。
7月からは息子が週3日保育園に行きはじめました。
ちょっとずつ慣れてきたかと思ったら早速風邪をもらい、そのせいなのか夜泣きも増えこちらも寝不足の日々。
必死に毎日をこなして、やっと落ち着いてきたと思ったら気づけば8月も終盤になっていました。
強いこだわりもなく、肩の力を抜いて育児をしているつもりですが、それでも1人の人間をゼロから育てるって想像以上に体力も気力も使いますね。
生後7か月になった息子の日々の成長が喜ばしいと同時に、私はこの7か月何をやっていたのか、仕事も語学も何にも成果が出せてない自分に焦りを感じる日々でもあります。
このネガティブモードが定期的にやってきますが、まだ私の失業手当が支給されているのと、夫の給料で生活も出来ているので今は「息子を生かしている」これだけで十分じゃないか!と自分に言い聞かせております。
さて、今回は私がよく観ている在仏日本人Youtuberの方のお話。
その方が日本移住されたと最近の動画で話されており、その方の状況は私の状況と重なる部分があったのでその動画を見ての率直な感想を共有したいと思い記事にしました。
「Nokie France のりふら」さんについて
今回紹介するYoutuberは「Nokie France のりふら」というチャンネル名で活動されているノリさんという日本人女性です。
フランス人男性と結婚され2人のお子さんがいらっしゃり、フランスで生活をされています。
フランス留学を経て、現地で仕事・結婚・出産とフランスで色んな経験をされている方なので、私は「移民としてフランスで生きる日本人の先輩」として興味深く動画を拝見していました。
在仏日本人やフランスに興味のある日本の方には有名な方です。
そんなノリさんが、この度ご家族で日本移住を決めたそうで、その動画が先日公開されました。
この動画を見ての感想を記事にしたいとおもいました。
ノリさんご家族
まず、ノリさんは先ほども書いた通りフランス人男性と結婚された日本人女性です。
留学を機にフランスに住んで、日本と全く関係・関心のなかったフランス人男性と結婚し、2025年現在、未入学のお子さんが2人いらっしゃいます。
動画を見ての感想
日本移住を決めた理由を動画内で共有されていました。
詳細は上記リンクのノリさんの動画を見ていただくのが一番早いと思いますが、家族(特に夫・マチアスさん)に日本の文化・週間・常識を経験して理解してもらうというのが主な目的のようです。
以前の動画でも、海外で生活をする精神的ストレスを話題にされていることがありましたが今回の動画でも
「私はフランスに外国人として生きる日本人としていつも日本との違いを感じながら生活している」
とおっしゃっていました。
「自分にとっての当たり前は、マチアスにとっての当たり前はそうじゃない」
「日仏の違いを分かったうえで、その違いを実感していないマチアスに違和感が無いように配慮して行動している」
と。
私気持ちが分かりすぎて1人で大きく頷きました。
彼女の夫・マチアスさんは彼女と出会う前までは日本に何の関わりも興味もなかった方。
「好きになった人がたまたま日本人だった」というだけなのです。
なので、そもそも日本のことを知らないマチアスさんは日仏を比べようがありません。
彼にとってはフランスの常識が彼の常識なのです。
そのことを分かっているノリさんは、おかしいなと思うところがあっても譲歩して、フランスの常識に合わせて発言・行動することが多かったようです。
移民として生活するとはそういうことなので仕方がない部分もありますが、国際カップルで家族を作っていくという面ではそう簡単には割り切れません。
自分の常識を理解してもらったうえで、お互いに歩み寄り、その家族なりの答えを見つけていく必要があるからです。
なので、日本の習慣や常識がベースにあって、彼女が譲歩しているということをマチアスさんに理解してもらうという点では彼女の苦労は大きかったようです。
もちろんマチアスさんが悪いとか理解しようとしない嫌な旦那とは思いません。
だって、母国フランスで生まれ育ち、ずっとそこに住んでいるのだから他の国の常識・文化を言葉で説明されても自分の感覚として理解して落とし込むのは容易なことではないからです。
ノリさんご自身もフランスに住んでいるのだからフランスの常識で生活する必要があるというようなことを以前からおっしゃっていました。
でも、やはり彼女も日本の感覚が染みついているから完璧にはフランス式には振る舞えません。
例えば、ノリさんが頑張って80%のフランス式に合わせて振る舞ったとします。
でもマチアスさんには日本の感覚が無いから、のりさんが0%の地点から80%のところまで彼に寄せている(譲歩している)ことは分からないのです。
マチアスさんからすると100%地点が彼の当たり前の常識だから20%分の出来ていない部分が目につきノリさんへの不満の種となり、夫婦が揉める原因となっていたそうです。
これめちゃめちゃ分かります。
何を隠そう、フランス移住前の日本にいた時の私は、マチアスさんと全く同じ立場だったからです。
私の夫は私と出会うだいぶ前の学生時代から漫画、ゲームや映画などから日本に興味を持ち、日本人に囲まれながら仕事もし、計10年日本に住み日本語も単能です。
日本の好きではない部分も「自分は好きではないもしくは興味はないが、日本人がそれを大事にするのは理解ができる」という感じで、日本を理解しようとする姿勢があります。
なので、私にとっては日本の習慣・日本人の思考をゼロから説明する必要が無いのがとても助かっていました。
しかし、いくら好きな日本だからと言って全てが受け入れられるものばかりではないでしょう。
彼の常識(フランスの感覚)を押し殺して日本に寄せて私と接してくれていた部分もたくさんのだろうと今になって思います。
そんな彼に対して私は、フランスという国への知識・興味が皆無だったので、日本の常識をベースにしか思考を巡らせることができませんでした。
何か話しあうにしても本題に入る前にお互いの常識のすり合わせをする時間が必要だったのです。
これって結構エネルギーを使うし、時にはストレスになります。
しかし、そのすり合わせをせずにコミュニケーションを疎かにすると、どんどんすれ違いが増えたり、精神的負担が大きくなったりして一気に関係が破綻してしまうのが国際カップルのリアルだと私は思います。
もちろん100%のカップルがそうではありませんが共感するカップルが多いでしょう。
ノリさんご夫婦は「これはもうどんなに説明しても、日本に住まないと日本のことは理解できないよ」という結論に至り日本移住を検討し始めたそうです。
私もフランスのことを理解したいと思いフランス移住を決めたのでこういう点でも勝手にノリさんご家族に共感し、親近感を感じていました。
私たちはフランス移住したことで立場は逆転し、今では私もフランスの常識を移住前よりは理解できるようになりました。
現在の私たちの結婚生活が安定している1つの理由の一つは、お互いの母国での生活を身をもって理解したうえで私たち家族なりに同じ価値観を築けているというのが大きいと思います。
ノリさんご家族も、日本生活で大変なこともあると思いますが、ご家族にとって何かしらプラスになることは間違いないでしょう。
ただのいち視聴者ですが、影ながら応援させていただきたいと思っています。
また、マチアスさんが日本移住を決断されたこと、本当に尊敬します。
学生の留学ではありません。独身貴族の放浪旅でもありません。
私たちの場合は子供のいない30代前半でのフランス移住だったので比較的移住のハードルは低かったです。
マチアスさんの場合は母国フランスで安定した収入がある、しかも妻子のあるアラフォー男性。
そんな人が妻のことをもっと理解するために言葉も分からない国への移住を決断されたのです。
それは相当な勇気のいることだったでしょう。
愛ですね。
最後に
「フランス移住したのは自分の意思だろ」「嫌なら国際結婚なんてしなければよかったのに」という意見もあるかもしれません。
しかし、留学・移住経験者は分かってもらえると思いますが、そんな単純なことではないのです。
母国が好きで母国で生活していても不満や悩みやストレスは多いですよね。それが異国になれば尚のこと。
そんな時に「自分で選んだ道なのだから不満を言うな」と追い込まれるとさらに精神的に参ってしまいます。
私たち夫婦は息子の出産前に話し合い、数年後に家族で日本への本帰国を考えています。(このことはまた改めて書きます。)
しかし子育てが始まり、自己嫌悪や義理家族との関わりなどいろいろなことが重なり心が折れて、息子がまだ0歳の今すぐにでも日本に帰りたくなっていたここ最近。
ノリさんの動画を見て、フランスで紆余曲折ありながらも今元気に過ごされている様子を拝見し(動画で見せていない悩みもあるでしょうが)、異国で悩んだり苦しんだりしている今の私の経験も無駄な時間では無いと励ましてもらっているような気がしました。
ということで、今回は「のりふら」さんの動画を自分と重ね合わせて見て、もう少しフランスで頑張ってみようと自分を鼓舞したお話でした。
おまけ・・・
出産・子育てという今まで経験したことのない、私には難易度MAXの壁にぶち当たっている今日この頃。
こういう時に夫との関係も冷静に考えます。
産後2年の間に離婚する夫婦が多いそうです。
それくらい子育ては難しいことだととても理解できますが、私たちの場合はその困難のおかげで夫婦の絆が深まっていると感じています。
まぁ、いっつもラブラブという感じでもなくて、いろいろありながらですけどね。笑 それもリアル。
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