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在仏5年目突入 SNSで見た「卒業」に、自分の4年を重ねた日

SNSで見た「卒業」

こんにちは。

日本では卒業シーズンは3月ですが、海外では6月が卒業シーズンですね。

それに気づいたのは、4年前に語学学校で一緒だったクラスメイトの卒業投稿をSNSで目にしたことがきっかけでした。

それを見て、あの時同じスタートラインにいたことが不思議に思えたのです。

2022年8月の語学学校

2026年6月現在、私は在仏4年を過ぎ、5年目に入ったところです。

フランスに来たばかりの頃、1ヶ月だけフランスの大学付属の短期フランス語学校に通っていました。

事前のレベルテストをもとに構成されたクラスで、週5日、1日3時間の授業でした。

メンバーは毎回固定で、半分は他国からの留学生、もう半分は私のようにフランスにいる社会人でした。

社会人といっても、職探し中の人もいれば、夫と趣味を楽しむためにフランスに滞在している主婦の方、フリーランスのジャーナリストなど、状況はさまざまでした。

8月に通っていたので、留学生たちはその後9月からフランスの大学に正式に通い始める予定でした。

フランス語レベルが近いこともありましたが、フランスに来て間もないという点でも共通していました。

4年後の現実と違和感

最近、Instagramを見ていたときに、当時のクラスメイトたちの大学卒業の投稿が複数目に入りました。

全員がずっとフランスにいたわけではなく、それぞれ母国の大学を卒業したようでした。

その中で衝撃だったのは、「1人の人が大学に入学してから卒業するまでの時間を、私はフランスで過ごしていた」という事実でした。

私は専門学校卒なので大学経験はありませんが、大学生活の4年間は、年齢的にも内容的にも大きな変化や成長のある時期というイメージがあります。

その濃い時間と同じ年月を、私はフランスで過ごしていたのかと思うと、何も成し遂げていないのではないかという恐怖に近い感情が湧きました。

おそらく、現在の収入や語学力に納得できていない焦りが、その感情につながっていたのだと思います。

本当に“何もしてなかった”のか?

でも、本当に私は何もしていなかったのか?

よく考えてみたら、結構色んな経験したなと思ったんです。

現地人と働いた経験

履歴書を握りしめて、ドキドキしながら飛び込みで仕事探しをしました。

1件目で運よく採用され、1年後には店長に昇格しました。

フランスの理想だけではない現実の労働環境や、フランス人の部下を管理する難しさなど、多くを身をもって学びました。

異国での出産・育児経験

「海外での出産・育児は大変そうですね」と、日本の方から言われることがあります。

それはそれでありがたい言葉です。

ただ正直なところ、私は日本での出産・育児経験がないため、フランスでの経験が“自分にとっての”普通”です。

そのため、日仏の違いによる大変さよりも、育児そのものの大変さ(寝不足やイヤイヤ期など)に意識が向いていました。

「海外で育てているから特別だ」という自覚はあまりなく、「こんなの大したことではない」と自己否定してしまうこともありました。

しかし一時帰国を通して、保育園事情や育児環境など、日本との違いに気づくことができました。

どちらが大変という話ではなく、その違いに気づけたこと自体が、フランスで出産・育児をしたからこそ得られた経験だと思うようになりました。

フランスで起業

起業したことも良い経験です。

私は日本の商品をフランスで販売するAijoというネットショップを運営しています。

起業を良い経験と書くと、うまくいっていると思うかもしれませんが、事業の具合は芳しくありません。

しかし、現地人でさえ無期雇用の仕事を見つけるのが難しい山岳地帯への引っ越し、しかも妊婦、という転機が無ければ起業するという案も出てこなかったと思います。

手続き方法も接客も外国語の環境で、現在も日々もがいて悩んでいます。

少額でも自分が異国で利益を生み出せることの嬉しさ、お給料をもらえていたありがたさなど、痛感する毎日です。

日本の“普通”が特別だという気づき

日本の特別さを聞かれると安全性や便利さなどが良く挙がります。

しかし、日々生活しているともっと身近なところでも気づくことがあります。

例えば家庭科の授業について。

実はフランスには日本の家庭科にあたる授業がありません。

私がミシンで息子の母子手帳ケースやおむつケースを作った時、「すごいわね!ミシンなんてどこで習ったの!」と義母や夫の親戚に驚かれました。

作ったのは複雑なデザインではなく、基本直線に縫うだけの物。

決して売り物にならない、家庭科の作品レベルの物です。

日本だとミシンでエプロン作ったり、手縫いでボタンを付けたりを家庭科で習うし、保育園グッズを親が手づくりする家庭も珍しくありません。

ですがフランスではそれが特別なんです。

家庭科では裁縫だけでなく選択の知識や調理実習で家庭料理を習ったりなどもすると紹介すると私の周りでは絶賛されました。

昔はフランスでもあった科目のようですが、今はありません。

他にも学校の掃除を生徒が行うこと、離乳食の違いなど、このような違いを日常的に知ることも、フランスで生活しているからこそ得られた視点だと感じます。

雀の涙ほどでも確実に成長しているフランス語

語学力については、自分ではほとんど成長していないと感じています。

在仏4年としては不十分だと自覚しています。

それでも、日本でフランス語を学び始めた頃は「Bonjour」しか知らず、フランスに来てからは話しかけられるだけで緊張していたことを思えば、少しは前進しているはずです。

最近では、夏に過ごす義母との時間が、自分の語学力の確認の場になっています。

夫も仕事でいない義母と2人きりの時間。

初年は「今日洗濯する?」「お昼ご飯何にしようか」など簡単な会話で四苦八苦していたところ、今は日本のことや子育てののことなど議論や情報交換できるようになっています。

勿論、もっと頑張らないといけないのは分かっています。

でも、全く成長していないのではなく、少しだけど前進はしている。

無駄な4年ではなかったので、過度に自己否定するのは止めようと思っています。

価値観の変化

収入や語学力の目覚ましい成長はしていませんが、フランスで生活をすることで得た経験が、私の人生にプラスになっていることは間違いありません。

フランスに来てから価値観も変化しました。

少しのことでも考え方は様々なのがフランス。

正確に言うと、日本でも実は多様な考え方は存在するけど、自分の価値観をはっきり言えるかが日仏で異なることだと私は感じています。

・収入を重視するのか、プライベートを重視するのか、働き方もフルタイムなのか時短なのか季節労働なのか。

・結婚をするのか事実婚をするのか独り身なのか、異性カップルなのか同性カップルなのか。

・子供を持つのか持たないのか。

・周りのことを気にするのか気にしないのか。

・食べのもはこだわるのかこだわらないのか。

などなど何でもです。

そして議論して反対意見になることもあるけど、だからと言ってそれで優劣が決まるわけじゃない。

実際のところフランス人も陰口は言うし、みんなが気が合う訳じゃない。

でも他者から見て不幸な状況でも、自分たちが幸せならそれでいいじゃんという考え。

元々気にしすぎな性格の私も、フランス5年目になると以前よりもこだわりを手放し、心が少し軽くなったと感じています。

住みたい家や生き方の理想も変化しました。

昔の理想は「周りがそうだから」「その年齢ではそれが当たり前だから」とやはり他者基準だったのが、今は「自分や自分の家族が幸せに過ごせるから」という基準に変わりました。

違うレールを歩いているだけ

思いがけず落ち込まされた、昔のクラスメイトのSNS投稿。

若者の夢いっぱいの4年と、30代半ばの主婦の4年。

そもそも比べた自分がバカでした。

それぞれフェーズが違うだけで、私もいい4年を過ごしたよと自分を労わってあげたいと思います。

成長は1つじゃないし、その基準も1つじゃない。

この4年ずっとネガティブだし、これからも元々の気質は変わらないけど、少しはポジティブになった私の在仏5年目もみなさん覗きに来てください。

読んでくれてありがとうございました。

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