こんにちは。
今回は今更ながら、私が今住んでいるフランスのサヴォワ県(Savoie)の紹介をしたいと思います。
フランスの人口は日本のほぼ半分ながら、国土は日本の約2倍と広大です。
私の住んでいる地域は山岳地帯。
夏らしくなってきたこの季節でも、朝カーテンを開けると雪の残る山が見えます…

フランスというとパリや南仏をイメージするかもしれませんが、山のフランスの魅力もお伝えしたいのです。
サヴォワ(Savoie)ってどこ?
フランスはDépartementで各都市が管理されており、それは日本でいう都道府県のようなものです。
サヴォワはそのDépartementの1つです。
2026年現在、フランスには合計で 101(フランス本土96、海外領土5)のDépartementがあります。
その中で、サヴォワはフランスの東側に位置しています。

ご覧の通り、パリよりもスイスとイタリアの方が近いです。
サヴォワ県庁のあるシャンベリー市からは、イタリアのトリノまでは車で約3時間、スイスのジュネーブまでは1時間強で行けます。
パリに行くには車で約6時間なので、どれほどスイス・イタリアが身近か分かりますね。
私の住んでいる市はサヴォワの中でも特にイタリア寄りなので、他の地域よりもイタリヤ系家族や本場のイタリア料理店が目立ちます。
また、スイス・イタリア・フランス三国に跨がっているのが、有名なアルプス山脈。(細かく言えばもっと多くの国に跨がっていますが)
全長約1,200kmにも及ぶ世界的に有名な山脈です。
この影響もあり、サヴォワはまさにアニメ「アルプスの少女ハイジ」のような、壮大な山の景色が特徴です。
サヴォワの歴史 独立国サヴォワ公国
サヴォワは1860年にフランスに合併されるまで、サヴォワ公国という独立国でした。
サヴォワ家の領地であったことが土地の名前として残っています。
サヴォワ家が、アルプスの峠を行き来する人たちから税を取ったりしながら、この山の地域を長く治めていたのです。
スイスの国旗に似ていますが、これはサヴォワの旗です。

今でも地域の旗として使われていて、地元の店のマークに使われていたり、特産品のパッケージにも使われていたりします。
サヴォワはイタリアの真隣で、我が家は車でイタリア国境まで1時間半ほどの距離です。
パリまでは6時間以上かかるので、そういう面でもいかにサヴォワにっとってイタリアが近い存在かが分かります。
先程紹介したディオ・ポランタという料理も、イタリアから来てサヴォワに根付いたものの一つです。
フランスの始まりであるフランク王国が480年ごろから始まったことを考えれば、サヴォワがフランスに加わった1860年は比較的最近です。
この地域の魅力
食文化
まず外せないのは食ですよね。
フランス自体が美食の国ですが、今回はクラシックなフランス料理ではなく、サヴォワ地方の料理を紹介します。
家庭料理がまたおいしいのです!
タルティフレット(Tartiflette)

中の具材はジャガイモ・ベーコン・玉ねぎ。
上にチーズをのせて焼く、日本のポテトグラタンに似ている料理です。
しかし、ルブロション(Reblochon)というチーズを使うのが大事です。
ルブロションはサヴォワのチーズで、カマンベールチーズのような柔らかいクリーミー系のチーズです。
しかし、カマンベールよりも匂いが強いのが特徴。
なのでフランス人でも好みが分かれますが、ブルーチーズのような青カビ系のチーズとはまた違う臭さで、私は一番好きなフランスチーズです。
生産者にもよりますが販売時のサイズは直径15~20㎝ほど。
タルティフレットを作る時は、このチーズを丸ごと横半分にスライスして、さらにケーキのように切り具材の上にのせて焼きます。

我が家でも何度も作る冬の定番料理ですし、地域の定番料理としてスキー場近くのレストランでも提供されていることが多いです。
ラクレット(Raclette)
ラクレットは日本でも有名な料理ですが、おそらく大きなチーズの塊の断面を炙り、溶けた部分をナイフでお皿に直接垂らす、というスタイルのラクレットを想像する人が多いのではないでしょうか。
それはスイスのラクレットのスタイルです。
フランスでは、下記の写真のようにしてラクレットを食べます。

奥に見えているのがラクレット機、どの家庭も大体持ってます。
事前にスライスしたチーズを小さなフライパンのようなものに入れて機械に入れます。
すると上から温められてチーズが焼けます。
チーズが溶けたら自分の皿にある具材の上に垂らしていただきます。
小さなフライパンのようなものは個々に使うので、自分のペースで食べ進められるのも良いポイントです。
我がは日本の鍋のような感覚で1シーズンに何度も食べます。
基本的な具材はジャガイモ、ハム、ピクルスです。
副菜としてレタスを食べることも多いです。
準備はジャガイモを茹でるだけで、ハム・チーズ・ピクルスは買って家での処理はありません。
特に冬になるとラクレット用にカットしたチーズが店頭に並ぶので便利です。
調理の手間も少ないので、ラクレットは家族が集まる時の定番です。
今ではフランスのどの地域でも定番料理ですが、元々はサヴォワ料理です。
ちなみに、フランス人はスイスのラクレットを「スイス風ラクレット」と呼び、あくまで「ラクレット」はフランスの物だと言います。笑
ディオ・ポランタ(Diots Polenta)

手前のソーセージがディオ、奥に見えているのがポランタで、同じお皿に盛っていただきます。
フランス人でも知らいない人がいる料理ですが、サヴォワでは定番の料理です。
まずはディオ、冬の間保存食として生まれたサヴォワの特産品です。
ディオを焼目が付くまで焼いたら、玉ねぎとニンニクを入れて炒め、とろみ付けのために少し小麦粉を入れたら、白ワインを入れて煮込みます。
そしてポランタ、トウモロコシを砕いて粉状にしたもで、調理後はおかゆより少ししっかりしたテクスチャーです。
北イタリアから伝わったもので、サヴォワのスーパーには当たり前に売っています。
パッケージ通りの分量の水を加えて調理したら、我が家はバター、チーズを入れてコクを出しています。
ディオとポランタは一緒にいただきます。

ディオとソースは濃い目の味なので、ポランタは薄味にすると味のバランスが良いです。
とはいえポランタにバターもチーズも入れるんですけどね。笑
でも、ボリューミーで濃い時のこの料理で厳しい冬を乗り切りっていたと考えれば納得です。
他にもたくさん!
チーズは勿論ワインも、サヴォワが産地のおいしいものが沢山あります。
日本への輸出はもちろん、フランスの他の地域にも流通しないようなローカルなものもフランスにはたくさんあります。
そして現地でいただくと、よりおいしく感じるということもあると思います。
是非サヴォワでサヴォワ料理を味わってください。
スキー
やはりアルプスのアクティビティの代表はスキー。
特にサヴォワにあるシベル(Les Sybelles)というスキー場はヨーロッパの中でも大規模で人気です。
厳密に言うと、別々だった近隣のスキー場同士を1990年ごろから徐々に繋げて1つのスキーリゾートにしたのです。
現在は合計136本のコースと68基のリフトがあり、全コース合わせると310kmにも及びます。
広すぎて1日では周り切れないので、リゾート内に1週間滞在し、スキーと余暇を楽しむのがこちらの定番です。
また、コースの最低地点が標高1,300m、最高地点が標高2,620mと1520mの標高差も魅力の一つです。
私は2年前に中学生以来のスキーをここでしましたが、初級・中級・上級コースすべてあるので楽しく滑れました。

私はこのスキー場の地域に住んでいます。
普段はフランス人しかいない過疎地ですが、シーズン中になると各国からのスキー客で賑わい色んな言語が聞こえてきます。
ただ、ヨーロッパの方が多い印象で、特にアジア人はほぼ見かけず、日本人には穴場です。
ハイキング
夏はハイキングも人気です。
先程紹介したスキー場も、冬だけでなく夏のシーズンもオープンしていて観光客向けのアクティビティやハイキングが楽しめます。
日本の夏はどこにいても纏わりつくような暑さが辛いですが、フランスの山の夏は爽やかです。
気温自体は30℃以上にもなり暑いのは間違いないのですが、湿気が少ないのでカラッとしており、ハイキングをしても気持ちいい汗をかくことができます。
動物に出会えるのも魅力。


暑い日でも、日陰に入ると途端に過ごしやすく感じます。
ハイキングでひと汗かいて、カフェやバーのテラスで自然を眺めながらワインやビールを頂くのも最高の時間です。
子供連れはハイキング途中でピクニックも楽しいです。(もちろん大人も)
我が家は息子が動き回るのでピクニックが最適です。

スキー場の近くだと、夏休みシーズンは子供向けのアミューズメント、大人も楽しめるイベントやアクティビティが充実していることが多いです。
サヴォワらしい建築
同じフランスでも地域によって家のスタイルは異なります。

パリは中世とモダンが共存する石造りのアパートが多く、ザ・フランスの街並みが特徴です。

南フランスは赤い瓦の波打った屋根に白い壁、青い雨戸の家が印象的です。

サヴォワの家は、シャレ(chalet)と呼ばれる木造の家が特徴です。
トタン屋根に木のぬくもりを感じるロッジのような外観です。
春は花が咲き、雪の降る冬は屋根やベランダにイルミネーションが灯される。

それらと、サヴォワの家並み、自然とのコンビネーションでサヴォワらしさの風景が生まれます。
シャレのスタイルの宿も多く営業しています。

窓から見えるアルプス山脈、薪ストーブで心地よく温まる部屋。
実際に来て、現地の空気と共にサヴォワの家を堪能してほしいです。
山の景色
既に書いていますが、迫力満点のアルプスの景色はこの地域の魅力の代表格。
写真や動画では伝わりきらない空気の新鮮さも、是非味わってほしいです。
春夏秋冬、それぞれ違う顔を見せてくれます。

また、サヴォワからも近いシャモニーからは、世界的にも有名なモンブラン山へのケーブルカーの駅があります。
シャモニーの街からモンブラン山(4,807m)の3,842,m地点で登れるので観光で気軽に向かえます。


私も実際に行きました。
モンブラン山頂も目視できるし、フランス・イタリアに跨がっているので両国を見渡すこともできます。
カーブルカーは日本では経験したことない角度とスピードで麓からゴール地点まで一気に登り、とってもスリリングでした。笑

ケーブルカーを利用する前後にバーやカフェで一息つくのもお勧めですよ。
ちなみに私が行ったのは9月でしたが、しっかりした防寒が必要でした。
サヴォワの人の人柄
サヴォワの人は温かいです。
フランスはヨーロッパ内で嫌われていると耳にすることがありますが、正確にはパリが嫌われているのだと最近気づきました。
パリはフランスの他の地域からも嫌われているからです。笑
もちろん全員ではないですが、地方在住フランス人と会話をしていると、パリに住むのはあり得ないという人が多いです。
街が問題と言うより、自分勝手で利己的だからパリ人が好きではない人が多いのです。
言葉でうまく表すことはできませんが、パリはさっぱりはっきり、サヴォワは温かさ寛容さが強い気がします。
私はパリの評価を下げたいのではなく、それくらいパリ人と地方のフランス人は違うので、パリを知っている人も是非地方へ行って、現地人とふれあってほしいということを言いたいのです。
パリももちろん魅力的ですが、地方でまた新たなフランスの魅力を知ってほしいです。
まとめ
今回は私の暮らすフランスのサヴォワ県について紹介しました。
私は360℃、ギザギザと連なるアルプス山脈に囲まれてボーっとする時間が大好きです。
サヴォワの壮大で広大な自然には、余計な事をすべてを忘れられさせてくれる包容力があるのです。

一方で、ただ山に囲まれた静かな場所というだけではなく、その歴史への興味が深まる土地でもあります。
1つの国として栄えていた時代があり、今はフランスの一部であるという歴史背景。
サヴォワの魅力は尽きません。
また新たなおすすめ情報が集まれば記事にします。
読んでくれてありがとうございました。
今回の記事で、サヴォワの魅力が少しでも皆さんに伝わればうれしいです。
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