こんにちは。
フランスで転職・退職を予定されている方、失業手当って実際いくらもらえるのか気になりますよね。
自己都合退職だともらえないって本当?
起業しながらでも受給できる?
実際の支給額はどれくらい?
今日は、フランスで就職・退職・起業・妊娠・出産を経験した私の実体験をもとに、失業手当の仕組みや受給額、申請の流れを紹介します。
ネットで調べても体験談が少なく、特に「起業+妊娠+失業手当」というケースはほとんど見つかりませんでした。
起業・妊娠・出産が短期間に重なっている、少し特殊なケースだったからだと思います。
これから申請する方の参考になればと思い、私のケースをまとめました。
私の状況まとめ(退職・起業・妊娠の時系列)
まず、私のフランスでの状況を時系列で説明するとこんな感じです。
- 2022年4月:フランスに住み始める
- 2022年9月:日本食レストランに就職 CDI(無期限雇用)
- 2024年3月:ネットショップ開設準備のため個人事業主登録
- 2024年4月:日本食レストランを退職・妊娠発覚
- 2024年6月:転居、個人事業主としてネットショップ開始
- 2024年7月〜:失業手当 受給開始
- 2025年1月:出産
- 産休期間(2024年12月~2025年2月):失業手当停止 → 産休手当受給
- 2025年12年:失業手当 受給終了
私はフランス人夫と渡仏して、まずグルノーブルという町に住んで就職しました。
しかし、2024年の春で在仏2年が経過するタイミングで、違う土地の生活を経験してみようと夫と決めました。
そして2024年6月に今のSavoieにある山の上の家に引っ越しました。
退職はその引っ越しに時期に合わせた形です。
新居は小ささな村の中で、簡単に仕事は見つからないと覚悟していました。
なので、自宅でできることをと思いネットショップを始めようと決めました。
個人事業主の登録やネットショップのHP準備などは退職前から準備を始め、引っ越しと同時くらいにオープンしました。
これらの引っ越し・退職・起業は妊娠発覚前から決めており、妊娠発覚は偶然この時期と重なったんです。
という流れで、1年以内に退職・妊娠・起業・出産が重なるレアな状況となったのです。
フランスの失業手当(ARE)の仕組みと支給条件
失業保険料はいくら?(給料の約4%)
フランスの失業保険の手当はどんな仕組みかご存じでしょうか。
まず、失業保険の保険料ですが、フランスでは給料(手取りではなく総額)の約4%です。
しかし、これは全額雇用主負担となるので給料から保険料が引かれることはありません。
実際に私の退職直前の給料明細を見ると、
- 給料総額(Salaire brut)2526.23€
- 手取り給料(Net payé)2000.9€
- 雇用主負担の欄に失業保険料(Assurance chômage)107.36€
と記載されていました。
失業手当(ARE)の受給条件
フランスの失業保険はARE(Aide au Retour à l’EmploiUnédic)と呼ばれており、Unédicという機関が管理、支給はFrance Travail(フランスの職安)が行っています。
AREの主な受給条件は下記の通りです。
- 雇用契約が終了した時点で、過去24ヶ月間に少なくとも6ヶ月(つまり130日間または910時間)勤務。(54歳以下の場合)
- 意図せず職を失った(解雇、有期雇用契約の終了、あるいは雇用主の都合による早期解雇など)
- 失業後12ヶ月以内にFrance Travailに求職者登録する
- 健康で働ける状態であること(病気・長期休養中は別制度になるため)
- 原則フランス在住で求職活動していること
その他、例外や年齢によっての条件の違いはありますが大まかには上記の内容です。
自己都合退職はNG?例外制度について(Rupture conventionnelle)
条件の2項目目を見ても分かるように、フランスでは基本的に自己都合の退職であれば失業手当を受給できないのです。
日本だと待機期間はあるものの、自己都合退職でも受給できるのでその点ではフランスは厳しめです。
しかし、保険料が全額雇用主負担の代わりに、手当も自己都合であれば受け取れないという合理的な設計ですね。
ただし、例外もいくつかあり、そのうちの一つがRupture conventionnelle(双方の合意による解雇)です。
その名の通り、雇用主と従業員本人が互いに合意すればできる退職方法で、これなら自己都合で退職する場合でも退職金や失業手当を受け取ることができます。
「解雇」と聞くとドキッとしますが、退職者にメリットが多いので、最近は退職者から雇用主にこの退職方法を申し出て同意してもらって辞める人が多いそうです。
もちろん雇用主も合意しないといけないので、必ず受け入れてもらえるものでもありません。
私はこの制度を知らず、退職を申し出た際に、運よくオーナーからRupture conventionnelleを提案してくれました。
後から調べて分かりましたが普通に自己退職していたら、失業手当や退職金など合計18,000€以上が受け取れないことになるところでした。
それに気づいた時には、辛いこともいっぱいあったけど真面目に仕事してよかったー!と思いました。笑
失業手当の申請前に準備するもの
退職時にもらうべき書類一覧
退職時に会社から色んな書類をもらいますが、下記の書類を忘れず貰っておきましょう。
失業手当の受給申請で必要になります。
- Attestation employeur(雇用証明)
- Solde de tout compte(精算書)
- 最終給与明細
フランスでは担当者によって要求する書類が違うことが多々あるので、必ず3つとも必要になるかは微妙ですが、3つとももらっておけば安心です。
France Travailへの求職者登録の流れ
France Travailはフランスの職業安定所です。
先程の受給条件の中にあったように、失業後12ヶ月以内にFrance Travailに求職者登録しないといけません。
日本も失業手当受給のためにハローワークに申請するので、同じような流れですね。
再就職を手助けするための手当、という意味合いで支給されるので求職者としての登録・面談が条件となっています。
まず、オンライン登録
登録はFrance Travailのサイトでオンライン申請が可能です。
今までの経歴や今後、希望する仕事など色んな質問に回答していきます。
私の場合は自宅でのオンラインショップ運営を本業とし、実際は外で仕事を探す気はありませんでした。
なので、登録画面に自分の状況に会う回答欄がない場合もありましたが、近い回答を選んだり備考欄があれば自分の状況を記入しました。
また、登録時または登録完了後に必要書類の提出を求められますので指示に従い提出しました。
私の場合は、自営業者であることの証明、会社員のときの最終給与明細などの提出を求められました。
これも全てオンラインでのやり取りです。
次に面談
オンライン登録が完了したら、France Travailのマイページに面談日・場所を知らせる通知が来ました。
面談日は登録日から約2週間後で、この面談をしないと正式にFrance Travailへの登録はされません。
フランス語が不安だった私は、夫に付き添ってもらい当日France Travailのオフィスに行きました。
面談担当者はオンライン申請の内容を画面で見ながら進めていきますが、こちらからも今の状況を説明しました。
退職した会社のこと、先月退職して来月引っ越し予定であること、それを機に自営業者として活動をするためにすでに個人事業主として登録していること、など詳しく申告しました。
普通は次の仕事を探すためにどんな条件で仕事を探しているかなどを聞かれる面談です。
しかし、私の状況を理解した担当者は求職案内は省略してくれ、私の自営業活動について詳しく聞いてくれました。
自営業の内容に問題はなかったので、France Travail のマイページにも申告済みの活動として登録してくれました。
申告外の活動で収入を得ながら失業手当を受給すると、不正受給とみなされるリスクがあります。
収入を得る活動は必ず申告しましょう。
また、失業手当の受給にはマイページから毎月状況の申告が必要であること、手当の金額や受給期間、振込日などもこの面談で説明されます。
これらは全て後からFrance Travailのマイページで確認できます。
ちなみに、面談日以降にFrance Travailへ申告すべき活動が増えた場合も、マイページから追加申告できます。
総合的な面談の内容はシンプルです。
後からトラブルにならないように、担当者と直接話せるこの機会に小さなことでも不明点は質問しておきましょう。
私から当日のアドバイスがあるとすれば、すでにオンライン提出しているものも含めて必要になると思われる書類は全て持参、もしくはデータですぐ出せるようにしておくことです。
私の場合はオンライン提出したはずの個人事業主登録の証明が、なぜか面談時の担当者の画面で確認することができませんでした。
幸い、携帯にPDFデータを持っていたので、その場でメールで担当者に送り事なきを得ました。
ちなみにこの時点ではまだ妊娠2ヶ月だったので、それについては特に失業手当申請で特別な手続きはありませんでした。
失業手当の毎月の手続き(申告方法)
何もしないで毎月失業手当が振り込まれる訳ではありません。
月初にFrance Travailに前月の活動内容を申告し、承認されることで受給できます。
申告はFrance Travailのマイページで行えるので簡単で、5分もかかりません。
私の場合は、自営業の活動を申告しているので、それにどのくらいの時間を割き、どれくらいの売上があったかを入力していました。
例えば2月月初に、1月1日から31日までの間に何時間活動して何ユーロ売上げたのかを入力します。
売上は、経費などを引く前の単純な売上総額です。
その他にも、「他の手当を受け取ったか」や「トレーニングを受けたか」など質問項目がありますが全て「いいえ」で入力し、引き続き求職者登録を希望することを申告していました。
申告期間は1ヶ月あり、例えば1月の活動内容は2月末までに申告すればいいのですが、申告しないと失業手当も支給されないので私は毎月1日に前月の内容を申告するようにしていました。
そうすると申告から3、4営業日後くらいに手当が振り込まれていました。
自営業しながら失業手当を受ける際の注意点
一つ目は、前述の通り、自営業の場合は毎月のFrance Travailへの申告の際の添付書類です。
自営業の売上を申告しますが、この金額の証明書の提出が必要です。
この証明書は、毎月Urssaf(社会保険料の徴収を行う機関)に売上申告した際に取得できます。
それをFrance Travailのマイページから提出することで、France Travailから失業手当の受給が承認されます。
Urssafの詳細については自営業登録される方はご存じのはず。
今回は、深堀りし始めると記事の内容とズレていってしまうので割愛します。
ということで、私は「毎月1日にまずはUrssafで前月の売上申告と社会保険料の支払い」→ すぐに「France Travailのマイページで前月の活動内容を申告(Urssafで取得した売上申告証明の提出も忘れずに)」という流れを毎月ルーティーンにしていました。
二つ目は、失業手当の支給額は自営業の売上額によって減額されます。
どのくらいの売上があればどれくらい手当が減額されるのか、条件・計算方法は分かりませんでした。
私の場合は自営業の売上は浮き沈みが激しく、月に0€の時もあれば2000€の時もありました。
売上が0€や300€など少額の時は、手当はほぼ全額支給されていました。
しかし、売上が2000€の時は手当は300€ほど減額されて支給されました。
三つ目は、先程も書きましたがFrance Travail に申告しない活動で収入を得ると、支給停止になるリスクがあります。
申告しておけば、自営業の活動の収入を鑑みた金額にはなりますがきちんと支給され、失業手当の受給をしながら自営業の活動を行うことが認められますので必ず申告しましょう。
実際の失業手当の受給額と期間(私のケース)
私の場合の支給内容は下記の通りでした。
- 受給期間:450日
- 支給額:39,15 € /日 、1174,5 € /月
私の終業時の内容は下記の通りです。
途中で店舗マネージャーに昇進したので、途中で勤務時間と給料が変更になりました。
- 勤務期間:1年8カ月
- 勤務時間:35時間 /月、昇進後に39時間 /月に変更
- 給料:最低賃金SMIC(平均 総額約1900€/月・手取り1500€)、昇進後に総額2500 €/月・手取り2000€に変更
フランスの最低賃金は全国共通で定期的に見直しがあり、上記は2022・2023年当時のものに残業代などが入った金額です。
失業手当の支給内容は勤続日数、過去の給料などに状況によって異なります。
France Travailの途中面談の内容
失業手当が支給され始めて半年ほど過ぎた頃に、France Travailの担当者からマイページにメッセージが届きました。
電話面談をするたの日時を知らせるものでした。
これは必ず行わないといけないもののようです。
電話なのでフランス語レベルの低い私はドキドキしましたが、今の状態を聞かれるだけで特に難しくはありませんでした。
私はその時に妊娠8カ月くらいだったので、自営業として活動中で就活はしておらず、間もなく産休に入る予定だということを説明しました。
すると「じゃあ産休に入る時にマイページからその旨申請してくさいね」と担当者に言われて面談はそのまま終わりました。
まとめ
私の経験からの失業手当のまとめは、こんな感じです。
- 自己都合退職 → 基本NG(例外あり)
- 起業しながら → 受給可能(減額あり)
- 私の場合の受給額 → 月1174€
- 毎月申告必須
私は4か月ほど前に失業手当の支給が終了しました。
支給が終了したら、フランスの失業手当についての全体の感想を皆さんに紹介しようと思って今まで記事にしていませんでした。
そして私の今の感想としては、支給期間の長さがとても恵まれている!ということが一番でした。
色んな条件があるものの、私の場合は1年8カ月の就労期間で、直前の給料の58%が450日も受給することができました。
しかも、450日だと約1年3カ月の受給期間ですが、途中で3カ月弱の産休を取得したので、その間は支給停止され産休明けに支給が再開されました。
なので、産休期間も合わせると支給開始から終了まで約1年6ヶ月。
失業保険に頼らなくてもいいくらい自営業の売上を上げたいと思って頑張っていたものの、実際はそう甘くありませんでした。
出産を控えていたことや子育てが始まったことで不安も沢山ありました。
そんな中、定額の支援を1年6ヶ月という長期間受けられたことは、経済的にも精神的にも大きな支えになりました。
しかし、この手厚い制度を利用して就活しているように見せて、何もせず手当だけで長期間暮らしている人がいるのはフランスで問題になっている部分でもあります。
この手厚さが妥当なのかそうでないのかは議論が分かれるところではありますが、私個人としては手当を受け取れる退職方法をさせてくれた前職のオーナーに感謝!
今回は自営業の失業手当受給者が産休に入る時の手続きや産休手当受給額などについても絡めて紹介する予定でした。
でも、そうするとだいぶ長くなりそうなので、今回は失業手当に特化して紹介し、産休については次回記事で紹介します!
長い文章を読んでくださってありがとうございました。
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