こんにちは。
フランスで妊娠・出産を経験すると、端々で日本との違いを感じることがあります。
今回は「母子手帳」に焦点を当てて紹介しようと思います。
2025年に第一子をフランスで出産した私はフランス・日本両方の母子手帳を使っています。
その理由や管理方法など書いていますので、興味のある方は是非読んでいってください。
フランス在住者は母子手帳をどうしている?
フランスの母子手帳
ここでは分かりやすいように「母子手帳」と呼んでいますが、フランスでは日本のような母子手帳は存在せず「健康手帳(carnet de santé)」と呼ばれています。
フランスでは母体についての記録は無く、子供の健康状態のみを記録するのです。
発行タイミングも、日本が妊娠したら母子手帳をもらうのに対し、フランスでは子供が産まれてから健康手帳が発行されます。
フランス在住日本人の母子手帳管理
フランスで出産・育児している場合、母子手帳は主に下記のようなパターンで使用している人が多いと思います。
- フランスの母子手帳のみ利用する
- 両国の母子手帳を両方利用する
- フランスの母子手帳に日本語でメモ書きする
私の場合は、二番目の対応で、日仏両国の母子手帳を使っています。
母子手帳は幼少期の既往歴やワクチン接種履歴など、子供が大人になってからも必要になる情報が詰まっている大事なものです。
我が家はフランス人夫と日本人の私の間に日仏ハーフの息子が生まれ、妊娠中から現在までずっとフランスで生活しています。
しかし、いずれ日本に本帰国予定、かつ子供自身が将来どちらの国を選ぶか分からないという状況です。
「いずれ日本に本帰国した時に私が子供の手続きをするのに不便の内容にしておきたい」
「子供が大人になって移住・入院などする際にも必要になるだろう」
「どちらの言語で母子手帳の内容が必要になるか分からないから両言語で記録しておきたい」
こんな思いで両国の母子手帳を使っているのです。
私自身、フランス移住する際やフランスで息子を出産するにあたり自分の日本の母子手帳の情報が必要になるタイミングが複数回ありました。
母が私を出産してから大事に保管して、フランス移住するにあたり持たせてくれていたので助かりました。
また、我が子の場合は将来、日仏の2言語とも理解できるかどうか不透明であることも両国の母子手帳を記録している理由でもあります。

これが私が持っている日本の母子手帳(左)とフランスの母子手帳(右)です。
具体的な対応は、フランスの医療機関を受診して母子手帳に記入される内容を、都度自分で日本の母子手帳に翻訳・転記しています。
病名のフランス語は難しいですが、ネットやチャットGPTで簡単に翻訳ができま。
転記しているのは特に大事な、いつ・どんな病気をしたのか、いつ何に対するワクチンを接種したのかなどです。
いずれ日本帰国した際は、これの反対で、日本の母子手帳に記載される内容をフランスの母子手帳に記録しようと思っています。
ずっとフランスで生きていくのか、日本で生きていくのか、両親共に日本国籍なのか国際結婚なのかなど家庭ごとに色んな事情・考えがあるので選択肢は一つではありませんが、我が家はこんな感じで対応しています。

ちなみにフランスの母子手帳はどの自治体でも基本的にはサイズは同じで、母子手帳ケースで保護している人も多いです。
ケースは販売もされていますが、私は妊娠中に時間があったので息子の名前を刺繍したものを作りました。
日本の母子手帳も一緒に保管できる分厚さにし、2冊を一緒に保管しています。
フランスで日本の母子手帳を入手するには?
では、そもそもフランスにいながらどうやって日本の母子手帳を入手するのか。
主に下記の2パターンになります。
- 一時帰国時に日本の役所で交付してもらう
- 日本の省庁のHPからダウンロード
日本の役所で交付してもらうには日本に行く必要があるし、住民票を抜いている場合は発行自体ができない可能性もあります。
自治体によって対応が異なるのです。
日本にいる家族に代理で取得してもらう方法もあるようですが、これも自治体によるし委任状も必要になったり結構手間がかかります。
私は妊娠中日本に行く予定は無し、住民票も抜いている状態で代理を頼むのもややこしそう、と思い役所での発行は諦めました。
また、在仏日本大使館・領事館で昔は配布を行っていたようなので大使館のHPで調べました。
すると、私が出産した2025年時点ではフランスでの実物の配布は廃止されていました。
その代わり、日本のこども家庭庁のHPから多言語版がダウンロードできるのでそれを使用するように案内が記載されていました。
多言語版は英語、中国語、スペイン語など、10言語のパターンがあり、本来は日本在住外国人のために用意されたもののようです。
外国語と日本語の両方で記載されているので、海外在住者もこれをダウンロードして利用してね、ということみたいです。
私は英語バージョンを自宅で印刷し冊子にしたのですが、一般的なコピー用紙なので耐久性が不安なため本の保護シールをネットで買って貼りました。
まだ使って1年半ほどですが特にボロボロになったりはありません。
フランスと日本の母子手帳の違い
違い①:母体の状態の記録有無
先程も少し触れましたが、フランスの母子手帳は「健康手帳」と呼ばれています。
日本では妊娠が確定した段階で役所で母子手帳が発行され、母体の健康状態や妊娠の経過も記録されるのに対し、フランスでは出産した医療機関で赤ちゃんの退院時に発行され、内容も子供の健康状態のみの記録です。
これは両国の大きな違いだと感じます。
フランスでは妊婦の記録ページが無いので、妊娠中の母体の状況がまとめて記録できるものが無いのです。
もちろん病院側では記録が一元管理出来ているでしょうが、患者側の手元に残るのは検診で出される処方箋やエコー検査・血液検査の記録など、たまに渡される書類のみです。
子供の記録については、日本と同様にフランスでも成長曲線・定期健診・歯科検診・ワクチン履歴などのページがあります。
私の住んでいるSavoie県の内容だと、子供の健康状態の管理項目は日仏大きな違いはないように感じます。
ちなみに、年齢に応じた子育てのアドバイスや注意点なども記載されています。
私は特に離乳食のページが参考になりました。

どの月齢で何をどんな形状で与えればいいか、また与えてはいけないかが表になっています。
国が違えば手に入る食材も違うので、このページは結構参考にしていました。
違い②:文化的な役割
これはあくまで私の主観ですが、日本の母子手帳は健康状態の記録だけでなく、思い手としての要素もフランスのものより強いと感じます。
日本の母子手帳には各月齢で「よく笑いますか」「音楽にのせて体を動かしますか」など子供の様子を問うページや、その時期の心配事や育児の感想などをフリーで記入する箇所があったりして、後から見返すと感慨深いものがあります。
そして特に妊娠中・出産時の記録が残るのが、フランスの母子手帳には無いメリットです。
私がダウンロードした日本の母子手帳には、妊婦が毎月気持ちを書く日記のような箇所があります。
さらに出産時の記録箇所には分娩時間や出産方法、親になった気持ちを書く項目もあります。
私が初めて自分の母子手帳(母が私を産んだときのもの)を見たのは小学生の中学年くらいだったと思いますが、母の妊娠時の気持ちや自分が家族にどんな気持ちで迎えてもらったかを知ることが出来て心が温かくなったのを覚えています。
健康管理という大事さとは別に、思い出という意味での特別な意味が日本の母子手帳にはあると思います。
日本の母子手帳はメリットがいっぱい
比べてみると、日本の母子手帳には良いことが沢山あるなと改めて思います。
- 妊娠期からの母子の記録を一元管理できる
フランスでは妊婦検診の都度バラバラに渡される書類をファイリングするのみ、しかも問題なければ検診内容の記録も患者側の手元に残るものは無いです。
でも、日本は母子手帳に妊婦検診の結果を記録する箇所があります。
もし他の医療機関を受診しても、また後から自分で見返しても、妊娠経過から出産と子供の成長が一冊でまとめて管理出来てとても便利です。
実は妊娠経過と子供の記録が一冊になった日本のような母子手帳は世界的にみても珍しいのです。
珍しいということは医療的観点からは必須ではないのでしょうが、私は日本の母子手帳はとてもよくできている優秀なシステムだと思っています。
- 思い出としても大きな役割を果たす
すでに紹介した通り、親の心情を記録することができるので思い出としての価値がとても高いです。
まとめ
今回はフランスと日本の母子手帳の違いと、フランスで日仏ハーフを育てる私が実際どうやって母子手帳を管理しているかを紹介しました。
我が家の将来設計と現状では、両国の母子手帳をつけるのは必要なことだと思って続けています。
子供が日仏以外の国を選ぶ可能性もあるでしょうが、せめて母国である日本・フランスではできるだけ不便を感じないように親ができることはやっておこうと思います。
私の経験はいくつも選択肢がある中の1つの例ですが、フランス在住でこれから出産を控えていらっしゃる方の参考になればうれしいです。
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