こんにちは。
前回、2025年1月に生まれた息子のフランスのパスポート・ID申請についてシェアしたので、今回は日本のパスポートオンライン申請についてシェアします。
前回も書きましたが、私が紹介するのは婚姻関係にある日本人とフランス人夫婦の間に生まれた子供(フランス生まれ)の手続きを、フランスから行う場合の流れです。
事実婚や未婚、日本から手続きを行う場合は方法や必要書類が異なると思いますのでご注意ください。
まず、フランス生まれの日仏ハーフが日本のパスポートを申請する場合、もちろん日本国籍である必要があります。
息子は現在フランス国籍と日本国籍を持っている重国籍者です。
パスポートを取得するには、もちろんその国の国籍を有している必要があります。
フランス生まれの日仏ハーフが日本国籍を取得する方法については、前回記事に詳しくまとめていますので下記リンクからご覧ください。
こんにちは。
先日の日本一時帰国の為に、2025年1月に生まれた息子のフランス・日本両国のパスポートを取得した経験をシェアします。
日仏それぞれのパスポートの申請から取得までの流れをレポートしますが、今回は未成年者の初めてのフラ[…]
ということで、今回は日本国籍を無事に取得して、フランスから日本のパスポートを新規申請する流れを説明します。
日仏ハーフ 日本のパスポート申請方法
日本では2023年3月27日からパスポートのオンライン申請が開始されました。
規定条件を満たせば国外からでもオンライン申請が可能です。
私は日本でパスポートセンターに行って申請をした経験しかなかったので、オンラインで申請できるなんて日本も便利になってるなと思いました。
乳児の新規申請でかつ親が代理申請する場合もオンライン申請の対象かは不安でしたが、結果的にオンライン申請できました!
我が家はオンライン申請した日から約5週間でパスポートが完成しました。
これから私が実際に行った手続きの流れを紹介しますが、詳細が気になる方は日本の外務省のHPをご覧ください。
日本のパスポートオンライン申請から受取の流れ
流れは下記の通りです。
- パスポート申請する子供本人の戸籍情報を取得
- 子供本人のオンライン在留届を提出
- パスポート申請アプリをダウンロード (必須ではない)
- パスポートのオンライン申請を行う
- 大使館・領事館からの連絡を待つ
- 大使館・領事館に受け取りに行く(子供本人も一緒である必要あり)
各項目の細かい内容を順に説明します。
子供本人の戸籍情報を取得
申請にはパスポートの持ち主となる子供本人の日本の戸籍情報の提出が必要です。
日本の役所で紙の戸籍謄本を取得するか、電子戸籍(2025年3月24日から運用開始)を取得するかのどちらかです。
電子戸籍は「戸籍電子証明書提供用識別符号」という名前の16桁の数字(有効期間3か月)で、この数字を利用することで提出先の行政機関は提出者の戸籍情報が確認できるシステムです。
自分の電子戸籍符号は、マイナポータル上または日本の市町村窓口で取得が可能です。
私はマイナポータルに登録したかどうか不明、していてもログインできなかったら面倒臭いと思い紙の戸籍謄本を日本にいる母に取得を依頼し、フランスまで郵送してもらいました。
なので、電子戸籍は利用しませんでしたが、利用方法についてはマイナポータルの説明ページから詳細を確認することができます。
子供本人のオンライン在留届を提出
こちらはすでに子供の在留届を提出済みの方は不要の作業です。
オンライン在留届を提出していないとパスポートのオンライン申請自体ができません。
子供の在留届を提出がまだの場合は、まずオンライン在留届のぺージからマイページ(すでに登録済みの親のマイページ)にログインします。
そもそも申請手続きをする親も在留届を提出していない場合は同じページにある「在留届を提出」をクリックし親も新規申請しましょう。
ログインすると下記のような画面になるので「変更届」をクリック。

そうすると現在の登録情報が記載されているページに飛びます。
そのページに家族追加のボタンがあるので、そこからパスポート申請をする子供の情報を追加すると子供の在留届の提出が完了します。
パスポート申請アプリをダウンロード
パスポート用の顔写真と署名写真をアプリで撮影するためにダウンロードします。
スマホからAppStoreかGooglePlayで「パスポート申請(海外在留邦人用)」というアプリをダウンロードします。
顔写真と署名写真のデータをすでに持っており、その写真ファイルをアップロードする場合はアプリは不要です。
我が家もフランスのパスポート取得の為に撮った写真をスマホカメラで撮影し、その写真データを使用したのでアプリで撮影はしませんでした。
詳しいアップロード方法も後ほど説明します。
パスポートのオンライン申請を行う
ここまでは申請の事前準備。
ここから実際にオンラインでパスポート申請を行います。
手順は下記の通りです。
① オンライン在留届マイページにログイン
ログインしたら「同居家族のパスポート申請」をクリックします

② パスポート申請をする子供を選択
日本人親の名前が筆頭者として表示され、その下に同居家族の名前が表示されるのでパスポートを作る子供の名前を選択します。

同居家族として子供のオンライン在留届を提出していないとこの画面に子供の名前が表示されないので、パスポートオンライン申請するにはオンライン在留届の提出が必要なのです。
フランス人親は日本国籍者ではないのでオンライン在留届は提出不要で、もちろんこの画面でも名前はありません。
③ STEP1 管轄の大使館・領事館を選択
申請画面に入ります。
STEP1~4まであるので順に進んでいきます。
まずSTEP1は自分の管轄の大使館・領事館(₌パスポートを受け取りに行く場所)を選択するだけです。
管轄外の大使館・領事館では手続きできません。

④ STEP2 写真を撮影・アップロード
パスポートに使用される顔写真と署名を撮影します。
パスポート申請アプリを使用すると、その場でアプリ上で撮影ができます。
我が家のようにアプリで撮影ではなく事前に用意した画像をアップロードすることも可能です。
先ほども記載した通り、息子はフランスのパスポート申請時に使用した写真をスマホで撮影してそのデータを使用しました。
署名については事前に白い紙に署名して、その紙を撮影します。
自分で署名できない赤ちゃんの場合は親が代筆でOKです。
その場合は下記の例のように「子供の名前 親の名前(続柄)代筆」と代筆します。

下記が写真登録画面です。

アプリ起動して撮影する場合は赤枠の「アプリを起動」をクリックします。
元々ある画像をアップロードする場合は緑枠の「顔写真・所持人自署アップロード」をクリックします。
いずれにしても写真が規定を満たしていなければ自動判断してくれますのでNGであれば撮影し直しやアップロードし直しをしましょう。
⑤ STEP3 必要事項を入力する
申請に必要な情報を入力していきます。

性別・生年月日など説明不要な簡単な部分は割愛し、抜粋した箇所のみ紹介します。
戸籍謄本の提出方法を選択する箇所

電子戸籍を取得された方は赤枠部分「オンラインで提出します」を選択・同意し、戸籍電子証明書提供用識別符号を入力します。
我が家のように紙の戸籍謄本を提出する場合は、青枠部分「在外公館の窓口に提出します」を選択します。
氏名入力の箇所
氏名が漢字やひらがなの日本の名前だとパスポートはヘボン式のアルファベットで作成されます。
しかし、息子は苗字がフランス名でアルファベット表記がヘボン式とは異なります。
日本表記/フランス表記が「デュポン 太郎 / DUPONT Taro」という氏名を例に、パスポートをフランス表記の綴りで作成したい場合の入力方法を解説します。
まず戸籍上の姓名入力画面です。

ヨミカタ「デュポン タロウ」、戸籍上の表記「デュポン 太郎」入力とします。
そもそも日本の戸籍登録にはアルファベットは使用できないのでここではアルファベットは登場しません。
日本の戸籍謄本通りの読みと表記を入力すればいいのです。
次にヘボン式の入力画面です。

これは日本語の読みをヘボン式で入力するので、「DYUPON TARO」となります。
ここではフランス語の綴りとは異なる表記になりますが、一旦気にせずヘボン式で入力します。
最後にパスポートに印字する氏名表記の箇所です。

上記画像の赤枠箇所に、パスポートへの印字を希望するフランス語の綴りを入力します。
入力すると青枠部分に、パスポートに印字される表記が表示されるので最終確認できます。
勿論、そもそもヘボン式でパスポート作成する場合は赤枠部分の入力は不要です。
話は逸れますが、我が家の場合は、夫婦別姓は選ばずに結婚時に私も苗字を夫の苗字に変更しました。
これは家庭によって家族感や状況がちがうので色んなパターンがあると思いますが、私たちの場合は「夫も私も家族全員が同じ苗字の環境で育ったのでその方が家族の一体感を感じる」「いずれ日本で生活した場合に別姓やミドルネールだと不便な場面がある」という考えで、夫・私・息子の家族全員が同じ苗字で全員ミドルネールもありません。
その他の項目を入力
今までの刑罰歴有無の質問や緊急連絡先など指示通り入力していきSTEP3は終了です。
入力箇所は多めですが、一時保存していったん閉じることも可能です。
⑥ STEP4 添付書類を登録

滞在資格を証明する書類の登録をします。
それに加えて、息子の場合はパスポートに印字したい名前の表記がヘボン式では無いので、その必要性を証明する書類の添付も必要でした。
フランスの滞在資格とフランス姓表記の両方を証明するために息子のフランスのパスポートをスキャンしアップロードしました。
⑦ 入力完了・戸籍謄本の提出
各Step、入力が完了すると「選択済み」と表示されるので、途中保存して再開する時など、どこが未完了か分かりやすくなっています。

全ての項目の入力が完了したら最終確定し、オンライン申請が完了します。
確定すると登録メールアドレスにパスポート申請受付と受理番号を知らせる自動メールが届き、その翌日に領事館から紙の戸籍謄本の提出をするようメールが届きました。
私の管轄領事館はリヨン領事館なので、リヨン領事館HPに掲載されていた住所へ紙の戸籍謄本を郵送しました。
HPには戸籍謄本余白と封筒に受理番号を記入するように書かれていたので指示通り記入して、追跡できる書留(Lettre recommandée avec Avis de Réception)で発送しました。
領事館よりパスポート受け取りの連絡
オンライン申請から約1カ月後、領事館よりパスポート交付予定日と手数料を知らせるメールが届きました。
パスポートが受け取れる交付予定日はメール受信日の6日後であることと、発行手数料は現地払いで36€(クレジットカード払いは事前登録が必要で5,900円)であることが記載されていました。
領事館にてパスポート受け取り
受け取りは管轄の大使館・領事館の窓口に本人(子供)を連れて行く必要があります。
受取期限は交付予定日から5か月後までです。
私は予約なしでリヨンの領事館に息子と受け取りに行きましたが、待ち時間はほぼありませんでした。
息子のパスポート受け取りに来たことを伝えて身分証提示したら、すぐに裏からパスポートを持ってきてくれて手数料を現金で払い終了しました。
まとめ
フランスに住んでいると、日本の行政手続きはフランスと比べてアナログが多いと感じるのですが、パスポート申請はオンラインで出来て感動しました。
パスポート申請のオンライン化は最近できたシステムのようなので、他の手続き(戸籍謄本発行とか免許更新とか)もどんどんオンライン化してくれたらいいのになぁ~なんて淡い期待を抱いています。
息子の日仏両国のパスポートが手元に揃ったときにはなんだか不思議な気持ちでした。
夫はフランス、私は日本のそれぞれの国籍しか持ったことが無いので、2つの母国があるハーフの人の感覚を完全に理解することはできません。
当たり前だけど、子供は私たちの当たり前や常識の中ではなく別の感覚・世界で生きていく別の人間なのだと再認識した瞬間でした。
さて、今回は日仏ハーフの日本のパスポート申請について私の体験を共有しました。
ニーズは低いかもしれませんが名前の表記など、私は地味に迷うところがあったので同じような状況の方の参考になれば幸いです。
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